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非定型歯痛2(特発性歯痛・突発性歯痛)

症状・病態 2020年06月06日

上に挙げたような原因不明の歯痛を「非定型歯痛」、あるいは「特発性歯痛・突発性歯痛」といいます。非定型歯痛は原因を特定できない顔やアゴ、口腔内の痛みを訴える非定型顔面痛に分類される病気ですが、痛みの原因がなかなかはっきりしないため、困ったことにこれらの症状に悩む方々が専門医にたどり着くまでには、平均5〜6年の月日を要するといわれています。
また、非定型歯痛は口腔顔面痛の30〜40%を占める病気で広い年齢層に発症しますが、とりわけ40歳代の女性に多く見られるのが特徴です。痛みの出方や強度には波があり、夜寝る前に痛くなったり、舌の一部や別の歯にまで痛みが広がる場合、あるいは群発頭痛(後項で解説します)などと関連して歯が痛むケースもあります。
そのほか、精神疾患の一症状として歯の違和感や痛みを訴えるケースも珍しくありません。これは脳の中の「痛みを感じる部分」と「感情をコントロールする部分」が非常に近接しているため、感情が痛みの感じ方に大きな影響を受けるということです。たとえば、落ち込んで気分が沈んだりストレスがかかると痛みは悪化する傾向にありますし、疲労を感じると神経系統が過敏になってホルモンバランスが崩れ、不快感や痛みが増幅します。これらの現象は、疲労物質の蓄積によって体調が維持できなくなり、免疫力が低下して病原体に対する抵抗力が弱まるために、細菌感染などによる歯痛が起こりやすくなることを意味しています。

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