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針刺し事故により生じたCRPS

論文・記事 2023年02月13日

佐伯茂先生(太田総合病院麻酔科)が発表された症例です。静脈内鎮静下で抜歯する際に手首近くの前腕部の橈骨静脈に点滴の留置針が刺入されました。その際に橈骨神経浅枝が傷つきCRPSを発症しました。橈骨神経浅枝は橈骨静脈よりも深い層を走行しますが、橈骨静脈と交差して浅い層を走行することがあるそうです。

肘関節で静脈採血する場合も神経損傷や動脈穿刺に注意して刺入部位を選ばなければなりません。刺入は静脈の真上から行い、側方から静脈にアプローチしたり、静脈を探して針先を動かしたりしてはいけません。静脈を穿通してさらに深い層に針が入るのもいけません。

木森佳子, et al. “肘窩における皮静脈と皮神経の走行関係: 静脈穿刺技術のための基礎研究.” 形態・機能 8.2 (2010): 67-72.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/keitaikinou/8/2/8_67/_pdf

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