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神経を抜く理由

治療法 2016年06月09日

歯牙破折
外傷によって歯が欠けたり折れたりする場合があり、折れ方によっては露出した歯の神経を抜く必要に迫られます。その際、MATで神経を保護することにより抜髄を回避することが可能です。また、折れた歯を接着することによる治療法もあります。
中心結節の破折
下顎小臼歯の咬合面には、とんがり状の中心結節が見られる場合があります。中心結節の内部には神経が通っており、硬い食物を噛んだ拍子にこれらが折れると神経が露出します。その際にも、MTAで神経を保護することにより治療することができます。
虫歯の進行
歯の表面の虫歯が深く進行すると神経にまで達し、通常の治療では抜髄を避けられません。そんな場合には、神経を抜かずに保護する覆髄を行います。神経の露出面に薬を付けて保護する方法を間接覆髄といい、暫間的間接覆髄法と3Mix治療法があります。
冠部歯質の喪失
外 傷や虫歯により神経は露出していないものの、歯間の大部分が消失してしまう場合があります。その際には、一度神経を抜いてポストコアという土台を入れるこ とにより、かぶせ物(クラウン)を使って本来の歯の形を復元することが可能です。またその他の方法として、接着方法を駆使してレジンで歯の形を再現するこ とも可能です。
歯軸の変更
出っ歯など歯並びや噛み合わせの問題に対しては、かぶせ物(クラウン)を作って入れるこ とで歯の向きを改善できますが、そのために歯の神経を抜く必要に迫られるケースがあります。その際には、矯正治療をすることにより神経を抜かずにクラウン をかぶせることが可能になります。歯並びや噛み合わせの治療法としては、矯正治療を第一に考えるべきでしょう。
歯のホワイトニング
神 経がない歯にはしばしば変色が見られますが、歯の内部に過酸化尿素を詰めるウォーキングブリーチという方法で歯を白くすることができます。一方、神経があ る歯の変色には、稀にテトラサイクリンという抗生物質の悪影響によるものが見受けられ、強度な変色については治療が難しいとされています。この説に対し、 あえて神経を抜きウォーキングブリーチを行うホワイトニング法があります。また、昨今ホワイトニングの技術改良が進む中、神経を抜かないでテトラサイクリ ン変色歯を治す方法も開発されてきています。
ヘミセクション、トライセクション
大臼歯の根は2本や3本に枝分かれ している場合が多く、複数ある根の一部に歯周病が進行し、周囲の歯槽がなくなっているケースもあります。このような場合には、悪くなった根を選別して抜く ヘミセクションやトライセクションという治療法があります。残った根は神経を抜き、クラウンやブリッジを作ってかぶせます。歯槽骨再生療法を行うことによ り全ての根を残すことができ、神経を抜く必要もありません
根分岐部病変
大臼歯の根が二つや三つに分かれる付け根の部分を根分岐部といい、この分岐部の骨が溶けてなくなることを根分岐部病変といい、歯周病の特殊例として分類されています。
骨分岐部病変に対する治療は大変困難といえますが、歯を分割してそれぞれの根を独立させる根分割術で治癒する場合もあります。根分割の際には、神経を抜く必要があります。
根分割術以外にはオドントプラスティー、ファーケーションプラスティー、歯槽骨再生療法などの治療法があり、これらは神経を抜く必要がありません。
歯の挺出
歯 を抜いた後には、ブリッジや入れ歯を作って欠損部を補う必要があります。歯が抜けたまま放置すると対合歯が伸びる挺出が生じ、挺出した歯があると、欠損部 を補う際に挺出歯が邪魔をして治療ができなくなります。挺出した歯を削って短くする場合に、挺出の程度が大きいと必然的に歯を削る量も大きくなるため、神 経を抜くことになります。挺出の治療方法には圧下という矯正治療もあり、神経を抜くことを回避できます。

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