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乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない

症状・病態 2022年05月11日

小児歯科 乳歯抜けた乳歯は6歳から12歳にかけて順番に抜け、代わりにその下の永久歯が生えてきます。永久歯が顎骨の中で形成されてくると、乳歯の歯根は永久歯に圧迫されて徐々に短くなっていき、ぐらぐらして最終的には自然に抜けてしまいます。

生え代わりの時期でもないのに乳歯が抜けてしまうと、永久歯の完成までにはまだ間があるため、永久歯はなかなか生えてきません。

実際にはあまり見られないケースですが、「低ホスファターゼ症」という病気が原因です。この病気は硬く成熟した骨ができないため、歯根表面のセメント質もしっかりと安定せず、歯がぐらぐらして早期に抜け落ちてしまうのです。

低ホスファターゼ症は全身性の遺伝性の病気で、ALRL遺伝子に変異が見られます。そのためアルカリフォスファターゼという酵素の活性が低下して、骨の石灰化が障害されるのです。重度の低ホスファターゼ症が新生児期に発症すると、呼吸障害などにより死亡することが多いとされていますが、軽症の低ホスファターゼ症では症状がほとんどなく、乳歯の早期脱落が唯一の症状という場合が多いのです。

乳歯が脱落すると数年間にわたってその部分では噛めなくなりますが、義歯を使用することにより、見た目と噛む機能を改善することができます。

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