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チーズでむし歯予防!?

取材への手ごたえ

小児歯科健診を終えて午後4時頃クリニックに戻ると、すでに取材まで残り2時間です。午後の診療時間の間、解説に用いるフリップを用意しました。ステファンカーブを説明するものと歯の表面の脱灰・再石灰化を説明するものです。絵が得意なスタッフの塚本さんに手書きで絵や語句を書いてもらい、ラミネート加工をしてみると、ニュース番組でよく見かけるものとそっくりなフリップが完成しました。

準備は着々と進んでいるものの、肝心のチーズの効果を立証する目途が立たず、焦るばかりです。期待できるのはCAT21ファストによるミュータンス菌の活性で、チーズを食べる前後で結果が変われば一安心です。もちろんチーズを食べた後の方が、むし歯リスクが小さい方に変化すればの話ですが。ガムを食べた後とチーズを食べた後でむし歯リスクに違いがあり、チーズの方がよい結果が出れば万々歳となります。

早速、CAT21ファストの実験にとりかかりました。何も口にしない状態の唾液(安静時唾液)、ガムを噛んだ際に出た唾液、チーズを噛んだ際の唾液を順番に調べていきます。診療がかなり忙しかったので、この実験は川畑さんに任せきりでしたが結果が出たようです。

驚愕しました。まず、安静時唾液ではむし歯リスクが高い結果になっていました。次にガムを噛んだ唾液ですが、これも同様にむし歯リスクが高くなっていたのです。そして肝心のチーズを噛んだ唾液は、何と劇的にむし歯リスクが低くなっていました。見た目も最初のふたつが赤で最後のチーズが紫、とはっきりとした違いがありました。想定外の大成功です。こんなにうまくいってよいのでしょうか。我が目を疑うという気分でしたが、これで番組の依頼に応えられると思うと一安心です。