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トリプタノール

トリプタノール

三環系抗うつ薬は口腔顔面痛などの慢性疼痛に対して有効ですが、中でもトリプタノール(薬品名 塩酸アミトリプチリン)は最も鎮痛効果が高い薬です。脳内のセロトニンやノルアドレナリンなど神経伝達物質の神経への再取り込みを阻害することにより、下行抑制系を活性化させて痛みをブロックします。

トリプタノールは1960年代の開発以来、一般的に使用されてきたポピュラーな薬で、口腔顔面痛や偏頭痛、群発頭痛、腰痛、腹痛、繊維筋痛症などの慢性疼痛に効くだけでなく、うつ病や双極性障害、パニック障害、摂食障害など精神病にも用いられます。また口腔異常感症や咬合異常感症、舌痛症、ドライマウスなど口腔内科疾患に対しても効果を発揮します。 

トリプタノールは服用開始から約2週間で徐々に効果が見られますが、口の渇きや眠気、便秘などの副作用が効果より先に現れる点が特徴です。そのため、「効かない」「自分の体に合わない」と早合点して中断してしまわないようにその特徴をよく理解しておく必要があります。

トリプタノールは効果の持続時間が長いため、1日1回の服用でOKです。胃を荒らさないため食後に服用する必要はなく、あくまで就寝時に眠気が出るよう就寝3~4時間前の服用をお勧めします。催眠効果が高いため、口腔顔面痛で睡眠もままない患者さんが「トリプタノールのおかげで痛みもなくなり、ぐっすりと眠れるようになった」という話をよく耳にします。

副作用への対応として、初めは少ない量(10mg)から開始し、体が慣れてくるにつれて徐々に量を増やしていきます。この方法により、初期の副作用がなくなる場合もあります。10mgで十分な鎮痛効果がみられるケースもありますが、多くの場合は服用量を増やしていく間に効果が現れ、十分な効果がみられた時点でその量を半年から1年間継続して服用します。参考として、80mgの服用で50%の患者さんに効果が得られるという報告があります。

ただし、トリプタノールの服用を中止する際には注意が必要です。急に中止すると不眠や吐き気、食欲不振、頭痛、めまい、倦怠感といった離断症状が現れる場合があるため、計画的に薬を減量していく必要があります。

同じ三環系抗うつ薬でも副作用が少ないノリトレン(薬品名 ノリトリプチリン)は、トリプタノールの代用としてよく使用される薬です。また、三環系抗うつ薬と比べて副作用の少ないSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)であるサインバルタを用いる場合もあります。

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