ひぐち歯科、口腔外科・口腔内科メディカルインフォメーション |

電話:072-646-8445

かみあわせが狂い、顎関節症になりました。

2008/11/10

相談:(61歳 女性)

2年近く、右上奥ブリッジ、右下奥、上左右犬歯2本を調整中、調整時に右上犬歯の次ぎの歯と右下犬歯を少し削りました。(右側は1本も正常にかみあわず、 左側でかんでいる)それから顎が右寄りになり、それを左寄りにするためにまたブリッジを作成等、繰り返しているうちに右顎がズレ、あっという間に顎関節症 になりました。

噛むラインが狂ったため、両方の顎関節がずれた状態で上顎、下顎のねじれを生じています。またブリッジの噛み合せを自分に合わせようと奥歯等で噛みこんでいるうちに、下顎が下後方にはいりこみ、少しのどぼとけがあたります。

左右顎関節が上下左右に移動するためつばをのみこむと首、頬、こめかみ等がグキとします。違ったラインでかむため左右の顎関節、頬等の筋肉がばらばらになり、顔変形しました。

歯科で奥歯を高くし、顎関節をなおすしかない、歯は全部作り直しになるといわれました。ブリッジだけでもうまくいかなかったのに全部入れ替えてう まくいくのでしょうか。現在頭蓋骨が移動し、毎日歯が移動し浮いた状態です。この状態で奥歯を高くする治療をしても大丈夫ですか。症状は1日に1回くらい 正常な噛み合せのラインに戻る感じがしますがすぐ最悪な状態に戻ります。顔、頭、耳に圧迫感が常時あります。他に治療方法はないのでしょうか。よろしくお 願いします。

回答:口腔内科 樋口均也

現在抱えている様々な問題の原因として、3つの可能性が考えられます。原因がいずれに該当するかによって、治療方法が異なります。

1.かみ合わせの狂い

まず考えられるのは、狂ったかみ合わせを正しく治してもらっていないということす。その場合、歯のほとんどを仮歯に置き換えて正しいかみ合わせの位置を見つけ出し、かぶせ物を入れることになります。

2.歯ぎしり、食いしばり

並びやかみ合わせには問題がなく、歯ぎしりや食いしばりによって歯に無理な力がかかり、調子が悪くなっている場合です。普段何もしていない時、上 下の歯が接触していることはありませんか?接触していない状態が正常なので、もし接触し続けているとすれば歯のかみ合わせに異変を感じるようになります。

治療法としては、マウスピース状の「オクルーザル・スプリント」という装置を作り、就寝中に装着します(スプリント療法)。また、他にもバイオフィードバック療法や筋肉のストレッチなど、いろいろな治療法があります。

3.口腔には異常がないにもかかわらず、精神的な問題からかみ合わせの違和感を引き起こす場合があります。

これは身体表現性障害、あるいは身体化といわれる状態で、心の悩みやストレスのはけ口として、かみ合わせの問題を引き起こすというものです。つま り、かみ合わせが気になっている限りは、心の中に潜む悩みから逃れられるということです(疾病利益)。この場合には、精神科での治療が必要となります。

以上、いずれに当てはまるのかをよく診てもらってください。

ページの一番上へ