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(1)心理療法(サイコセラピー)

疼痛性障害の治療法

疼痛性障害に対しては外科的な処置を行っても意味がないどころか、むしろ症状を悪化させてしまうだけの結果となります。従って、現時点で疼痛性障害に対して有効であるといえる治療方法は、心理療法(サイコセラピー)と抗うつ薬による薬物療法です。

(1)心理療法(サイコセラピー)

私たちが身体に深刻な痛みを抱えると、その部位と症状に対して意識が集中しがちになります。つまり、「痛みにとらわれた状態」になるといえます。たとえば歯科での治療で強い不安を持つと、その不安感が治療した部位に私たちの意識を集中させます。するとその部位の感覚が敏感になり、今まで感じていなかった感覚が生じるようになります。そして、その新たな感覚に対して、歯科治療をはじめ何らかの対処行動を取ることになります。しかし、この対処行動がさらに意識を痛みと症状に集中させることになり、感覚はますます過敏になっていくのです。困ったことに、一度この悪循環に陥ると症状が継続するばかりか、悪化の一途をたどることになります。

これら一連の「とらわれ状態」は、その人自身が持つ考え方のパターンであるといえます。従ってこのパターンに気付き、意識的に変えていくことが心理療法(サイコセラピー)の目的です。心理療法とは、担当医あるいはカウンセラーが行う医療カウンセリングのことをいいます。また、個人の考え方ではなく行動のみを変える方法もありますが、いずれにしても症状に応じた適切な方法を見つけ、それを実践していくことが治癒への近道となります。

その他「認知行動療法的アプローチ」を取り入れ、心理的あるいは社会的な側面から治療を行う方法もあります。この治療法では定期的に計画した活動、たとえば仕事や外出、イベントへの参加などを積極的に推奨することによって、痛みそのものを忘れられる時間を作り出すことが目的です。つまり痛みがあっても、本人がそれに振りまわされない生活をおくれるようになることが大切であるということです。

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