口腔外科・口腔内科 情報センター|大阪

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プロマック

味覚障害に用いる薬

味覚障害の原因の1つが亜鉛不足です。亜鉛はDNA合成酵素などさまざまな材料で傷ついた細胞を修復する働きを持ち、不足すると傷ついた味覚の修復が遅れて異常をきたします。

亜鉛不足を補う薬がプロマック(薬品名ポラプレジング)です。通常は胃薬として用いられ、傷ついた胃粘膜を修復する働きがありますが、味覚障害に対しても有効です。

プロマックが「亜鉛欠乏ラットの味覚障害を改善させること」を明らかにした研究を紹介しましょう。この研究で用いられた亜鉛欠乏ラットは、亜鉛欠乏食を与えて人工的に亜鉛欠乏状態に陥らせたものです。このラットは苦み成分であるキニーネや塩辛い生理食塩水が入った水を平気で飲むようになったことから、味覚障害を起こしていることが判明しました。

亜鉛欠乏ラットには次のような異常が認められました。
1. 血清亜鉛値の低下
2. 舌上皮粘膜の亜鉛含有量の低下
3. 味蕾細胞の増殖能の低下
4. 舌上皮粘膜の角化異常

亜鉛欠乏ラットにプロマックを投与すると次のような変化が現れました。
5. 血清亜鉛値の上昇
6. プロマックに由来する亜鉛の舌への移行
7. 舌上皮粘膜の亜鉛含有量の増加
8. 味蕾細胞の増殖能の上昇
9. 舌上皮粘膜の角化異常の改善

実験結果から、プロマックに含まれる亜鉛が舌上皮粘膜に取り込まれて亜鉛不足を解消することがわかりました。これによって亜鉛不足による味蕾細胞の増殖能の低下が改善され、味覚機能が回復すると考えられます。その他、亜鉛不足による舌粘膜の形態的異常が改善されることも味覚の改善に役立つとされています。

田中貴男、味覚障害と亜鉛: ポラプレジンクの作用. 口腔・咽頭科, 24(1), 67-74. 2011.

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